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「今日は本乃さんがアジの干物を分けてくれるんだじょ。だからご飯は少しでいいんだじょ」
「アジ?ふむふむ。じゃ、本乃さんの帰りに合わせればいいのね」
「そうなんだじょ」
「分かった。今日は3時には帰れるから、本乃さんが帰ってきてから一緒に食べようね♪」
「お願いするじょ♪」
屈んでいた彼女、瑞希さんはニコニコ顔でたばにゃんをギュッと抱っこしてからサッと立ち上がり玄関へ向かいました。
ふんわりと優しいお花の匂いがしました。
「じゃ、いってきまーす!」
「いってらっしゃいだじょ」
溌剌としてバイバイと玄関扉を駆け抜けていく後ろ姿に手を振り見送ります。
「あ、今日新しい住民が来ること言えなかったじょ」
パタンと閉まる扉を見詰め、たばにゃんは伝えられなかったことをちょっぴり残念に思いながら振り返り、階段を見上げました。
「──あー、ミズキンダったら、またドア開けっ放しー」
2階からもう1人の住民の呆れたため息が聞こえます。
たばにゃんはエイエイと足🐾を上げて階段を昇りました。
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