ケース8️⃣ 前世輪廻

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「まあ、車なんて手に入れる方法は、色々あるし〜。」 ジョオは運転しながら、愛嬌よくペロッと舌を出して、ウインクしてみせる。 「はぁ〜・・。ジョオ。あなたには呆れるわ・・。」 メグが首を横に振りながら、溜息をついた。 「この、車。何て言う名前なの?」 エイミーが、割って入って尋ねてくる。 「さあ〜。何だろうネ。」 ジョオが、首を傾げて応えた。 助手席にいたメグが、目の前のダッシュボードを開くと、ガサガサと中を探って『取り扱い説明書』を取り出す。 それを簡単に、パラっと見たメグが、車内の姉妹たちに教えた。 「この車、・・ミツビシの、パジェロミニ(PAJERO MINI)って、いうんだって〜。」 「パジェロ・・・ミニー・・。可愛い。」 すぐに復唱したエイミーは、ニンマリとする。 「あんまり、聞いた事ない名前ネ。それに日本人は、こんな狭い車に乗る事があるんだネ〜。」 すぐにジョオが、呆れた表情で言った。 「軽自動車は安いし、細い道でも通れるから、日本人には人気があるみたいヨ。」 メグが、説明をする。 「ふ〜ん。小さい車だし、狭いから乗ってる人にはヘビーよネ〜。あと、このボディカラーの、ライトブルーメタリック。私は本当は、黒が良かったなぁ〜。」 ジョオは、悔やんだような顔をして言った。 そこでメグが、諭すように伝える。 「まあ確かに、黒や白のカラーは、ハズレがないしィ。人気ある色だけど・・・。でも、言い換えれば無難なカラーって事ヨ。モデルの人が、服の色を選ぶのと同じで、黒や白は初心者のテイスト。でもセンスのある人は、敢《あ》えてビタミンカラーや、インパクトある色をチョイスしたりするでしょ。この車みたいに、ライトブルーメタリックや、ターコイズブルーみたいなカラーは、実際モデルの職業の方に好まれるみたいヨ。」 「へぇ〜。なるほどネ〜。」 ジョオが、感心したように言った。 後部座席で一人、本を読んでいたベスも、チラリと話を聞く。 「私は、プリウスって車が良かったナ〜。」 エイミーが、いつものようにわがままな様子で言った。 「プリウスね・・。日本でよく購入されている人気の車なんだけど。ただ一つだけ、プリウスは高級車じゃないし、メーカーのトヨタもそのつもりで作ってないのヨ。その事を知らないで購入するユーザーもいるみたい。有名なベンツやレクサスと比べると、ワンランク下の車なのよネ。」 メグが姉妹たちに、詳しく説明する。 「じゃあ、レクサス買って!」 エイミーが、強い口調で訴えた。 「レクサスなんて、すぐに買えるわけないでしょ。それに目立つし。」 メグが言い返す。 「まあ、とにかく。高級車とか関係なく、勘違いしないで自己満足で乗るなら、イイって事なんだよネ。」 ジョオが落ち着いた様子で、投げかけた。 「そういう事。」 メグが静かに頷く。
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