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「まあ、車なんて手に入れる方法は、色々あるし〜。」
ジョオは運転しながら、愛嬌よくペロッと舌を出して、ウインクしてみせる。
「はぁ〜・・。ジョオ。あなたには呆れるわ・・。」
メグが首を横に振りながら、溜息をついた。
「この、車。何て言う名前なの?」
エイミーが、割って入って尋ねてくる。
「さあ〜。何だろうネ。」
ジョオが、首を傾げて応えた。
助手席にいたメグが、目の前のダッシュボードを開くと、ガサガサと中を探って『取り扱い説明書』を取り出す。
それを簡単に、パラっと見たメグが、車内の姉妹たちに教えた。
「この車、・・ミツビシの、パジェロミニ(PAJERO MINI)って、いうんだって〜。」
「パジェロ・・・ミニー・・。可愛い。」
すぐに復唱したエイミーは、ニンマリとする。
「あんまり、聞いた事ない名前ネ。それに日本人は、こんな狭い車に乗る事があるんだネ〜。」
すぐにジョオが、呆れた表情で言った。
「軽自動車は安いし、細い道でも通れるから、日本人には人気があるみたいヨ。」
メグが、説明をする。
「ふ〜ん。小さい車だし、狭いから乗ってる人にはヘビーよネ〜。あと、このボディカラーの、ライトブルーメタリック。私は本当は、黒が良かったなぁ〜。」
ジョオは、悔やんだような顔をして言った。
そこでメグが、諭すように伝える。
「まあ確かに、黒や白のカラーは、ハズレがないしィ。人気ある色だけど・・・。でも、言い換えれば無難なカラーって事ヨ。モデルの人が、服の色を選ぶのと同じで、黒や白は初心者のテイスト。でもセンスのある人は、敢《あ》えてビタミンカラーや、インパクトある色をチョイスしたりするでしょ。この車みたいに、ライトブルーメタリックや、ターコイズブルーみたいなカラーは、実際モデルの職業の方に好まれるみたいヨ。」
「へぇ〜。なるほどネ〜。」
ジョオが、感心したように言った。
後部座席で一人、本を読んでいたベスも、チラリと話を聞く。
「私は、プリウスって車が良かったナ〜。」
エイミーが、いつものようにわがままな様子で言った。
「プリウスね・・。日本でよく購入されている人気の車なんだけど。ただ一つだけ、プリウスは高級車じゃないし、メーカーのトヨタもそのつもりで作ってないのヨ。その事を知らないで購入するユーザーもいるみたい。有名なベンツやレクサスと比べると、ワンランク下の車なのよネ。」
メグが姉妹たちに、詳しく説明する。
「じゃあ、レクサス買って!」
エイミーが、強い口調で訴えた。
「レクサスなんて、すぐに買えるわけないでしょ。それに目立つし。」
メグが言い返す。
「まあ、とにかく。高級車とか関係なく、勘違いしないで自己満足で乗るなら、イイって事なんだよネ。」
ジョオが落ち着いた様子で、投げかけた。
「そういう事。」
メグが静かに頷く。
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