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入学式
「はる!おはよ〜」
「おはよう」
朝から元気に朝の挨拶をしてくれる親友のチカ。こいつとは小学3年生からの付き合いでなんでも話せる俺の一番の理解者。
今日はこの丘島学園へと無事入学を果たし、初登校日である。
チカと朝の挨拶を交し、目の前に張り出されている大きくて長い紙に目を向ける。そこには1年生のクラス分けがずらりと記され、1年B組と大きい見出しの下に、『01芦田はるま』とあるのを見つけた。
次にチカの名前を探すと1番最後に『30東雲チカ』とあった。
良かった、チカと同じクラスだ。
これで、最速ぼっちを回避出来たことに安心しつつ、喜びを噛みしめる。隣にいたチカも俺たちの名前を発見したらしく、嬉しそうに同じクラスだね!とはしゃいでいる。
あぁ可愛い。
それにしてもこの学園…大きいな、さすが山奥にある広大な土地に建てただけはある。ここまで来るのは大変で、交通費はそれはそれはかかりましたとも
そしてこの学園、寮も完備していて、学園の敷地内に自分の部屋が用意される。もちろん家から通う人もいるが、俺たちは寮を選択し自分の部屋がある。
というか、寮の生徒だけ1日早くこの学園に来て、荷物と部屋の整理をし…まではわかるのだが、なぜ、荷ほどきが終わったら寮の生徒限定のパーティーをするのか意味がわからない。
しかも、その情報は学園について荷ほどきがあらかた終わり、休もうというときに放送で『本日入寮した生徒を歓迎し、午後6時からパーティーを行います。寮の皆さんは制服に着替えパーティー会場へおいでください。なお、新寮生の皆さんは先輩方が各自部屋へお向かいにあがりますので、準備してお待ち下さい。』
などと、いや、疲れてるんですが??しかも明日は入学式ですけど?!予定の組み方考えたの誰だよ!
と思ってたけど
まぁ、そんなことは今の俺からしたらささいなことなので、気にしませんが?
「はる、B組の教室は1階だって!」
「ほんと?やった!前は(中学生のとき)1年が4階だったもんな〜」
「ね、夏とか地獄だった。あと、この学園エレベーターつきで学生も乗れるんだって!」
「移動教室とか10分休み削って行くようなものだったからな…エレベーター神!」
遠い目をしながら中学時代を振り返る俺たちの横を何だこいつら?という目で見てくる同級生たちに気まずさを感じながらも、チカと共に1年B組の教室へと向かった。
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