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俺たち1年は赤、2年が青、3年が緑でそれぞれのカラーの靴を支給されており、ネクタイも同じ色のものを身に着けている。また、カバンにも同じ色のラインが入っている。
B組の教室へ入ると黒板に紙が貼ってあった。おそらく名前順だろうと思いながら紙に見を通していくと、自由席だった。
え、普通名前順にしない?そもそも、名前とか覚えるときのために名前順じゃない?
なんで?
「名前順?」
「いや、自由席だって。」
「え、やったね!」
「うん…」
「あれ?名前順がよかった?」
「いや、全然!自由席でよかったなって」
「だよね!どこ座るー?」
「うーん」
一番うしろがいいのだが、この教室広いからな。というかこんな広くて後ろまで声届くのか?
「後ろがいいけど…遠いからな」
「たしかに。でも後ろがいいよねー」
「後ろにするか?」
「うん!」
二人共後ろの席という意見で合致したので、後ろの席へと足を進める。
どうやら前の席が人気らしく、後ろには人があまり来ない。
これ幸いと俺たちは好きな席を選び座席についた。
黒板には9時50分から自己紹介とあったので、あと10分は時間がある。チカと昨日の新入生歓迎会について話をしようと、チカに視線を向けると真っ直ぐと黒板の方を凝視していた。
何を見ているのかと俺も視線を向けると複数の生徒もこちらを見ていた。視線は合わなかったので俺を見ていたわけではない様だ。よかった。目があったらどうしたらいいかわからなかったし。
生徒と目が合わないよう静かに視線をずらしチカに視線を戻す。
「チカ?」
「ん?」
「どうかした?」
「なにも?ちょっとボーとしてただけだよ」
「そっか」
たしかに俺もぼーとしてて、気づかないうちに人の顔をがん見してたことあるし…
あれはすごい気まずくてすぐに顔をそらしたけども。チカは大丈夫だったのかな。
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