『御舞ひ候へ』登場人物

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『御舞ひ候へ』登場人物

■小野玄(おのしずか) 京都の能楽師。二十一歳。小野家の四代目。祖父である小野幽斎(おのゆうさい)は希代の天才能楽師として名を残したが、婿養子で玄の父親にあたる生馬(いくま)は芸の才能に恵まれなかった。玄は祖父の血を色濃く継いでいるものの、祖父亡きあとは芸を伝承してくれる後ろ立てもなく、また能楽が時代遅れの芸と揶揄される時代にあってすっかり意欲をなくしていた。父・生馬、妹・馨(かおる)との三人暮らし。無愛想で口が悪いが、美味しいものを食べさせてくれる相手には心を許す傾向にある。 ■里見杢太郎(さとみもくたろう) 東京帝大・民俗学研究室助手。二十五歳。普段は穏やかで柔和、初対面の相手にも警戒心を抱かせない『菩薩の杢太郎』の異名を持つが、正義感が強く、時として感情が先走った行動をとる。能楽研究に関しては頑固一徹。師匠であり伝統芸能研究の第一人者・佐藤巌(さとういわお)教授を尊敬しており、いつかは師を超える研究者になりたいという夢を抱いている。実家は山形の豪商。祖父母・父母、兄・姉・弟・妹がそれぞれ一人ずつの九人家族。多忙な両親に代わって弟や妹の面倒を見ていたこともあり、実は料理と裁縫が得意。
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