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エピローグ
夏帆さんと付き合い始めて2年目の記念日。
最初のデートで訪れた海辺でプロポーズをした。
「夏帆さん、僕と結婚して下さいませんか。」
僕の言葉に夏帆さんは顔を真っ赤にさせ、涙を一粒零した後言った。
「……よろしくお願いします。」
夏帆さんの返事に喜び、ポケットから指輪を取り出す。
プロポーズをすると決めてから、何度か店に足を運び、こっそり用意しておいたものだ。
緊張からか、震える手で夏帆さんの薬指につけていると突然雷が鳴った。
途端に空から雨粒が落ちてきたため、僕たちは手を繋ぎ車まで走る。
車に乗り込むと外は土砂降りの雨になった。
「また降られちゃったね。」
そう言って鈴の音のように笑う夏帆さんの薬指には、小さな小さな雨粒のようなダイヤが光っていた。
【End】
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