異国の風

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
半世紀以上も前のモノクロ映画のミステリー。 バッド・エンドの結末が、観ていて嫌になった。 映像を消すと時計はすでに翌日で、眠るだけなのに眠れない。 見たことのない大きな月が、荷台に座る僕を見下ろして照らしていた。 もう寝よう。あなたを夢に見たいから。 * 遠距離恋愛。突然対面したら、あなたは驚くだろうか。 ただあなたを目指し、恋心を抱いて越える地平線。 石畳の道進むトラックは、このときだけの異世界を感じさせる。 ◆ 朝もや煙る早朝に青い鳥と鬼ごっこ。 故郷から衝動的に飛び出した日のことを思い出した。 あの日から今に至るまで、あなたへの思いは変わらない。 知らない言葉の行き交う地で、心は張り裂けそうなほど高ぶっている。 * 異国情緒の都市のただなかで、あなたを思い出した。 不思議な香りの異国の風は、心地よい安らぎを感じさせる。きっとあなたに近づいているから。 対面し、僕は今よりずっとあなたを好きになるのだろう。 END. Thank You!
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!