2人が本棚に入れています
本棚に追加
ある日の朝、天気予報で雨が降ることを知った。前の夕立から梅雨がやってきたのだと知った。その日もまた、傘を持って家を出た。
大学の講義室の一番後ろから、似たような髪型の学生たちを見つめていた。皆々、机の下でスマホをいじっていた。
講義後、目の下をこすりながら外に出た。同じタイミングで雨が降り、僕は傘を開いた。
雨雲、アスファルト、コンクリート塀、電柱、傘、僕。そして段ボール。
獣の香りに鼻を鳴らして見下ろす。
それに傘をさして、夕立が過ぎるのを待っていた。
最初のコメントを投稿しよう!