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「金魚すくい行くぞーー!」
親父の楽しそうな声が響く。今日は毎年恒例となった伊織先生のスタジオ主催の夏祭りなのだけど、伊織先生が母さんも招待したもんだから一番に親父が浮かれている。
まぁそうだろう。親父が世界で一番好きなものは母さんだからな。
「母さん、何匹欲しい!?」
親父と母さんのイチャつきぶりを毎日見ている俺には日常茶飯事なんだけど、それを見たことがないメンバーは面食らっている。
「おじさまがイチャイャしている……」
呆然とする香多くんは、そう言いつつ射的で次々に景品を撃ち落としている。
「瑠璃一筋じゃなかったのか……」
良くんは、金魚すくい三回目も失敗に終わっている。
一応、この夏祭りは子供たちをメインで呼んで、好きなにょたチョコ男子に屋台のゲームを三回までやってもらうってのが主体だ。
もちろん得意不得意はあるけど、ゲームを代行している間は完全ににょたチョコ男子を独占できる。やっぱり良くんとタッくんが人気なんだけど、良くんは金魚すくいにしろ射的にしろ輪投げにしろ、ほとんど失敗に終わっている。
そういうのに優れている香多くんや俺なんだけど、子供たちと大して見た目が変わらない俺と香多くんは出番が少ない。
何気に隠れた人気を発揮しているのが、げたんわくんだ。筋肉強いな〜。
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