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嵐に襲われた船は、風の波に流されて、どうにもこうにも進めません。困っていると、子どもたちのひとりが黒雲のはるか遠くに小さな島を見つけました。
このまま嵐に流されて、舵を失うわけにはいきません。嵐を怖がっていた子どもたちは泣くのをやめて、みんなで船の帆をたたみ、重たい舵をとりました。
みんなで力を合わせるうちに、船が少しずつ前へ前へと進んでいきます。
やがて、雷の音は聞こえなくなり、風の波はやさしくなって、少しずつ夜空が晴れていきました。
散り散りに逃げていく黒雲のあいだから、大きく綺麗な満月が顔を出し、夜空の海を照らします。
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