152人が本棚に入れています
本棚に追加
子どもたちの目の前には、もう、空に浮かぶ島が見えていました。島の真ん中には、大きな滝が流れています。
島の上には、大きな光の橋がかかっていて、白のような、銀色のような、不思議な色で輝いています。それは、夜空に浮かぶ虹でした。満月の光で生まれた、しあわせになれる虹でした。
雲の船が虹の袂を通り抜けるとき、子どもたちは今まででいちばんやさしくて、今まででいちばんしあわせな気持ちになっていました。
子どもたちを乗せた船は、明るい満月の光を浴びながら、虹の下をゆっくりと進んでいきます。
船が虹を一周し終える頃、子どもたちはみんな、すっかり眠くなっていました。
それもそのはず、生まれて初めてお母さんのそばを離れて、空の国の反対側まで旅してきたのです。流れ星の魚を数え、夜の嵐に立ち向かい、夜空に浮かぶ虹を探して。
それは、とても楽しくて、とても勇気がいって、そして、とてもしあわせな旅でした。
最初のコメントを投稿しよう!