やっぱり体力

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「情報提供者は集落出身で今は街に住んでいる男だ。集落から出たのは結構前らしく、妖精についての話は集落で聞いたことがなかったみたいだが、集落には危機に備えて特別な道具が備蓄されているらしい」 『特別な道具?』 「名称とかはなんか信仰みたいなのが絡んでるから妙なことになってるが、話を聞く限り、まんま魔法具っぽい。形状とか効果とか。時代は違いそうだが」  いわば伝説の宝具みたいな扱いで、それに相応しい名称がつけられているものの、魔術師からするとそれは魔法具でしかない。  加えてそう説明すると、魔王が質問してきた。 『信仰・・・ということは、かなり昔に手に入れたものを受け継いでいるような形か?』  頷く。 「そんな感じだな。魔術をまだ見たことないって人間は今でも結構いるだろうし、昔ならなおさらだ。土着の信仰によって不思議な道具が祀られていても不思議はない」  というか、あるあるだ。魔術師の歴史は浅いとはいえ、そもそも最初期には魔術国家もなかったし、長寿族という名称ともごちゃ混ぜ状態で、使う魔術自体も発動方法もバラバラ。  そして当然それぞれが勝手な価値観で動いていたために、聖人のように祭り上げられることもあれば悪魔の手先のように扱われるようなこともあったらしい。本人のしたことも関係はあるだろうが、とにかく目立つことで普通じゃない扱いを受けるケースは多かったはずだ。  問題を抱えた集落に魔術師が訪れて問題を解決した、と今でもそこそこはあるであろう話がその昔集落全体に伝わったとして、その魔術師から与えられた魔法具があったなら、その魔法具も含めて集落で神聖視することになったとしてもおかしくないだろう。 「あとは・・・そうそう、大会の優勝者のコーズナだっけか」  しかしその魔法具の効果自体についてはいくつか説があるくらいで具体的にはわからないので、話を次へと転換した。 『そちらも何かわかったことがあるのか』  魔王も察したのかどうか、あたしに次の話を促す。 「あたしは優秀なんでね」  冗談めかしていいつつ、続ける。
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