第七章 想定しない再会

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 「菜月に()いてみたらどうだろう。何か分かるかもしれないから」  「そうですね。出張だと思うんですけど、何も言ってなかったので……」  菜月は、出張経費の精算を担当している。それなのに、正人が四国に来ることについて何も言っていない。不思議だった。  一瞬、個人的な旅行かと思ったけれど、萌香は首を振った。  正人はスーツ姿だった。有給休暇で偶然四国に来たとしても、仕事の時と同じ服装である必要はない。  そんな時、銀行に行っていた和子(かずこ)が帰ってきた。  「ただいま~?どうしたの。二人とも暗い顔して」  萌香が説明すると、和子の表情も曇った。  四人で家族として生活している。正人の存在は、その穏やかな時間を壊しかねない不安要素だ。  「仕事してる時間ですから、まず、簡単に文章で」  疑問を送れば、電話ができる時間になったら掛けてくるはず。  そのとおり、定時を少し過ぎた頃に、菜月から電話が来た。
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