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景品は
「どう言う理由だよ、そりゃ」
「だって、美味しいんだもん。保も舐める?」
「やなこった」
「えー!保って甘いの苦手だったっけ?」
「苦手なのは、あんただ」
「え…」
ポトッと、山村の手からソフトクリームが落ちる。
「あー、勿体ねー。…って、山村?」
山村が下を向いたまま、身体を震わせ、泣き出したのには参った。
「うー!うわーん!だ、だもづがぼぐをにがでだっで…ゔゔー!!」
通行人の何人かが、俺を咎める様に見て行く。
「やだ、あの子、幼児虐待?」
「小さい子をイジメるなんて、最低ね」
そんな会話まで聞こえてきて、俺は山村を落ち着かせようとした。
「いや、苦手は言い過ぎた。悪りぃ」
「で、でもにがでだどおもっでるんでじょ?ゔゔあああああああああああああああああああああ!!」
山村がデケー声で泣くから、俺は周りの連中から注目の的だ。
謝っても泣くって…俺、どうすりゃあ良いんだよ。
その時、鬼の様な救世主が現れた。
「山村くん?!どうしたんですか?!千夜くん、山村くんに謝って下さい!!」
「いや、謝っても泣き止まねーんだよ…」
「山村くん、このメダルは差し上げます。だから、落ち着いて下さい。千夜くんも反省してる様ですし」
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