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鈴木が椅子側の真ん中に座り、その隣に俺が座る。
「キャー!この子、近くで見ると可愛い!ねぇ、飼っちゃダメ?」
山村は隣の女に抱きつかれている。
「あの、さっきは楽しかったです。まさか撃たれちゃうとは思わなかったけど」
鈴木は鈴木で、隣の女…最後まで生きてた女に話し掛けられていた。
俺もソファー席の奥の女から視線を感じた。
だが、ワザと気付かねーフリをする。
3人共、見たところ俺等と同じ高校生位だ。
相手にするにも、まだまだお子ちゃまだぜ。
「ムギュゥー…」
「いやん、可愛い!この子、私、飼うから!」
山村は女に免疫がないせいか、抱きつかれた位で目を白黒させてる。
「ありがとうございます」
「景品のメダルをあげるなんて、優しいんですね」
景品がメダルだと知っているって事は、どうやら初めてではなかったらしい。
鈴木は鈴木で、女に話されて、緊張のせいか、固まっている。
俺は対角線上の女に声を掛けられた。
「何、頼むんですか?決まったら、ボタン押しますけどー?」
俺は女の言葉を無視すると、とっとと手近に在る方のボタンを押す。
「あ…」
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