ランチ

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それを只、相席になっただけなのに、合コンのノリで居る女共に俺はそう言った。 「何よ。男だと思って偉そうに。モエ、エリ行くよ」 「うん…」 「リョウちゃん、又ね」 事もあろうにナナミ達は、残り少ないとはいえ、パスタを残して、ホントに伝票を1枚持って会計の方へ行く。 「アイツ等、料理残していきやがった」 「勿体ないね…」 「でも千夜くんのお陰で正直、助かりました」 「僕もー♪保、だーいすき♡」 「気色悪りぃ事、言ってっと、マジでエリとかいう女のペットにさせっぞ」 「ペットじゃなくて、彼氏なら良い!」 山村が女から、男として見られる日はくるのだろうか。 気が遠くなりそうになったところで、ウェイトレスが「お下げします」と言って、女共が食ってた皿を片付けていく。 それからは大分客足も落ち着いてきたのか、相席になる事はなく、ミートソースが運ばれて来た。 「ご注文は以上で宜しいでしょうか?」 「あ、ちょっと待って!僕、チョコケーキパフェを食後で!」 「では全て、お召し上がりになりましたら、こちらのベルでお呼び下さい」 ウェイトレスは山村にそう言うと、厨房の奥へと去っていく。
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