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山村の為、というのが、いささか引っかかるが、まあ、予定の無い日なら、別にいっか!
「いつ行くんだよ?」
スケジュール帳を机の上に置いて、携帯を持ち替え、利き手片方でペンを握る。
『やったあ!保、ありがとー♪愛してるー♡』
「やかましいぞ、ボケ」
『千夜くん、山村くんに対しての発言には気をつけてください!背中から味方が打って、即終了になりますよ!』
「わーったよ!それでいつだよ?」
『8月○日なら、如何でしょう?』
俺はスケジュール帳を見てみる。
運の悪いことに丁度空いている。
「何時に何処で待ち合わせだ?」
『やったあー!皆で遊べるー♪』
『10時に現地集合で良いですか?』
「ああ、ったりぃけど、付き合ってやるよ」
『僕、最後まで生き延びて、保を振り向かせるよ!』
「ああ、せいぜい頑張ってくれ。道は険しいぞ」
『では、当日は宜しくお願いします』
…という訳だ。
「あ、ここですね」
鈴木の声に我に返る。
見ると長蛇の列が出来ている。
最後尾に並ぶが入り口はまだまだ遠い。
「たっもつとデート♡たっもつとデート♡」
「言っとくが、俺にその気はないからな」
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