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そりゃ、あれだけのモン1人で全部食って、満腹にならない方がおかしい。
食べ終えて、直ぐに動くのは、山村の身体に良くないから、客が減ってきたのを良い事に次、何処行くか決める。
「此処出たら、何処行く?」
「待って下さい。今、パンフレットを出します」
鈴木は懐からパンフレットを取り出した。
俺と山村も身を乗り出す。
「ジェットコースターにしようぜ」
「確かに楽しそうですね」
「え…」
鈴木が乗ってきたのは意外だが、山村が引いたのも意外だ。
「もしかして…山村くん、絶叫系は苦手ですか?」
鈴木が心配そうに聞いた。
「う、うん…」
「じゃあ、仕方ねー。鈴木、2人で乗ろうぜ」
「えっ!でも、せっかく3人で来たんですから、皆さんで楽しめるのに替えますか?」
「遊園地に絶叫系は付き物だろ」
俺は山村の保護者から、やっと解放されると思って言った。
ところが。
「保の好きなもの…僕も好きになりたい!」
山村が、そんな事を言ってきたのには俺も鈴木も驚いた。
「大丈夫ですか?山村くん。なんでしたら、僕の隣に座ります?」
「誰の隣に座ったって、酔うときゃ酔うだろうが」
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