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ジェットコースター
「でも、僕なら応急処置が出来ます!」
そうなのか?
そういう問題なのか?
鈴木は只単に山村と隣に座りたいだけだと思うが、それならそれで3人共満足できるならそれでもいっかと思った。
「じゃあ、決まりだな。…そろそろ行くか?」
山村の腹ごなしも済んだであろう店内で俺は立ち上がった。
「う、うん!」
「山村くん、吐いた後の処置は僕に任せて下さいね」
なんか吐くこと前提っぽいが、一見ダメそうな奴程、あの楽しさにハマったりしてな。
俺等は全員立ち上がると、伝票を持って行きそれぞれ会計を済ませる。
そして、涼しかった店内から、日差し照りつける暑い外へ出た。
「今が1番暑い時間帯だな」
「帽子か日傘が欲しいところですね」
「帽子はともかく、日傘は女しか刺さないだろ」
「それが熱中症にかかる男女比率は男性が、圧倒的に多いそうです」
だからって日傘刺す気は俺には無かった。
「山村くん…やっぱりやめときましょうか…?」
さっきから口数の少ない山村を鈴木が心配している。
「だ、大丈夫…」
「そうですか?余り無理はしないでくださいね」
そうこう話を聞いている内にジェットコースター待ちの列が見えてきた。
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