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徐々に高い天辺へと登っていく。
このゾクゾクくる様な緊張感が堪んねーぜ。
前に座っている山村の表情は見えねーが心なしか身体が震えている様な…。
だが、もう乗っちまったもんは途中で降りれないからな。
「山村くん、大丈夫でしょうか…?」
俺の隣の鈴木は心配そうに言った。
「大丈夫じゃなくても、ここまで来たらもう引き返せねーぜ」
と、ジェットコースターが一番高い位置にまで登った。
やっぱ、降りる時や回る時は両手を離すのがジェットコースターの醍醐味だよな。
と、天辺まで行って一瞬止まったジェットコースターが、次の瞬間、えらいスピードで下に降りる。
「うわああああああああああああああああああ!!」
人生初のジェットコースターに前に座っている山村がデケー悲鳴を上げる。
だが、それ以上に困ったのが、鈴木の言動だ。
「山村くん?!山村くんが僕を呼んでます!」
鈴木がそう言いながら、斜め前の山村の方に無理矢理身を乗り出そうとする。
はっきり言って超危ねぇ!
「呼んでねー!呼んでねーから!」
隣の鈴木を、俺は、ジェットコースターが、もうスピードで走り抜ける中、横から鈴木の身体を抑えようとしたが、上手くいかねー。
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