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鈴木を落ち着かせようとするのに精一杯で、ジェットコースターを楽しむどころじゃねー。
ジェットコースターが終わる頃には、俺は山村とは違う意味で、グッタリしていた。
「つ、疲れた…」
「ゔゔ…怖かったよう」
「良かったです。山村くんが無事で!」
鈴木の奴…人を散々振り回した後で、謝罪も無しかよ。
山村は酔わなかっただけ良かったのかもしれねーが。
鈴木はそっと優しく山村を抱きしめた。
「山村くん、もう怖く有りませんからね」
「うん…ありがと、鈴木くん」
山村も鈴木にされるがままになっているが、さっきのエリからの抱擁と違って声は落ち着いている。
今度からは、鈴木のいない時…女とデートにでも行った時に乗る事にするか。
鈴木は、俺の様子には構わず、山村をそっと離すと、パンフレットを取り出した。
「次は、何処行きます?」
「俺、今度は1人でジェットコースター」
「保ー、よっぽどジェットコースターが好きなんだねー」
それも有るが、今度は楽しんでジェットコースターに乗りたいだけだ。
「せっかくですから、色々なアトラクションを楽しみましょうよ」
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