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「あー!さっきの男達…名前、なんだっけー?」
そんな声が聞こえてきて、見ると運悪く、ナナミ共が隣のカップに座ってコーヒーカップに揺られている。
「しっ!聞こえるよ」
「良いよ、聞こえたって」
「リョウちゃーん!コッチのカップにおいでー!」
モエがナナミに言うが、ナナミは知らん顔だ。
エリはエリで山村に向かって両腕を伸ばしてくる。
「保ー、なんか怖い」
山村は、怯えた様にそう言うと、俺の近くに寄ってくる。
「寄るな、暑苦しい」
「千夜くん、山村くんの気持ちも察してあげて下さい!」
って言われてもなぁ。
俺はキャーキャー言いながらカップを回し始めたナナミ達をチラ見して、連中の度肝を抜かせてやろうかと思った。
「鈴木、山村。しっかり掴まってろ」
「?う、うん」
不思議そうにカップについてる、とってを両手で握り締める山村。
「千夜くん、まさかモエさん達に対抗する気ですか?相手は女性ですよ」
何かを察したらしい鈴木は俺を咎める様に、そう言うが、両手は既に、とってを握り締めている。
「だからこそ、バカにされたくねーだろ。俺等の真似は出来ないって見返してやろーぜ」
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