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「山村くんは千夜くんと遊びに来れて嬉しかったんですよね」
少しずつ列が前に進んで、俺等の番になった頃にはもう昼過ぎになっていた。
「お腹空いたよう」
「俺を振り向かせるんだろ。ほら、行くぞ」
俺は山村の首根っこを掴むと受付を済ませる。
「千夜くん、山村くんの事、離してあげて下さい!」
鈴木が慌てて止めるから、仕方なく山村を解放してやる。
「もう!保の事、打っちゃうぞ!」
山村は、えっへん!と言いたげだが、イマイチ頼りなく見えるな。
「山村、即終了になるなよ。…って言っても無駄か」
「千夜くんと山村くんには、僕がサポートに付きます」
そうこう言っている間に、控え室らしきところでセンサー服を前にかけられた。
ビーム銃らしき物も渡される。
「わーい!本物みたい!手を挙げろ!…なあんてね!」
山村は銃を俺に向けて、ケタケタ笑っている。
「やっぱ、俺、帰る」
そう言って、来たところから、控え室を出ようとすると、山村が慌てて止めに入った。
「ごめんごめんごめん!もうふざけたりしないから、置いてかないで!」
鈴木も銃とセンサー服を被せられて、それらしくなっている。
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