パレード

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だが、そうこうしてる間にパレードは、ゆっくりではあるが進んでいく。 仕方ねーな。 俺は自分の携帯を取り出すとパレードの動画を撮り始めた。 「次は、此処を押してください」 「えー、押したけど、変な画面に飛んじゃうよ?」 「山村くんが押したところは、僕の言ったところの隣ですね。此処を押して、一旦、前の画面に戻って下さい」 動画には、鈴木と山村の声も入っちまうが、仕方ねー。 「此処?」 「(苦笑)いえ、此処です」 「えっと、此処だったっけ?」 「そうです!長押ししてください」 「うん!…あれー?パレードじゃなくて僕の顔が写ってるー」 とうとうパレードは全部行っちまった。 俺は動画を、画面を見ながら保存する。 「山村くんの画面は自撮りになってますね。此処を押してください」 「うん。あれー?パレードが居なくなってるー!」 「どうやら、行ってしまったようですね…」 肩を落とす2人に俺は言った。 「パレードの動画なら、もう撮った」 「えー!保だけずる〜い!」 「落ち着いてください、山村くん。千夜くんに動画を送ってもらいましょう」 「元より、そのつもりで撮った」
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