メリーゴーランド

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メリーゴーランド

撮った甲斐があったってモンだ。 そう思いながら3人でメリーゴーランドに向かう。 しかし、待っている列をザッと見る限り、ほとんどが親子連れかカップルばかりだ。 「こんなの女子供の乗り物だぜ。つまんねーな」 俺のぼやきは小声だったが鈴木には聞こえたらしい。 コッチを向くと、語り出した。 「良いですか、千夜くん。このメリーゴーランドもそうですが、何事も楽しもうとする気持ちが大事なんです」 「鈴木くん、良い事言う〜」 「山村くん、ありがとうございます。…楽しもうと思えば、勉強もメリーゴーランドも大抵楽しめるものなんですよ!」 鈴木の声が興奮の為か、段々とデカくなってきた。 俺等の前に並んでいるガキが好奇心丸出しで俺等を見ていた。 俺は鈴木の言いたいことはわかったから奴を落ち着かせ様とした。 「わかった。楽しもうと思う事が大事なんだな」 「ホントに解ってますか?大体普段から千夜くんは、学園には遅刻してくる。春日部先生の授業は受けない。校則違反ばかりして…」 話が段々とメリーゴーランドから、かけ離れていく。 「わーったよ!校則違反はしねー」
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