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「千夜くん、その格好じゃ外には出られませんよ」
「んなことわーってるよ!ただ、言ってみただけだ。山村の反応が面白いからな」
「ブーブー!酷い!保!」
「酷いたって俺が、うっ!やられたーって言う訳ねーだろ」
「今、言ったじゃん!」
「屁理屈言うな」
「お話の途中で失礼しますが、お2人共、あのモニターに、僕達の前に闘っている両チームの様子が映ってますよ」
鈴木の指差した方に目をやる。
確かに少し薄暗い、柱が何本も立っている空間で、互いのチームが隠れては打ち…隠れては打ち…を繰り返していた。
ビーム銃で、姿を見せた相手チームのセンサーを射抜く前に、柱の陰に隠れられて、なかなか決着がつかない。
「どっちも頑張れー♪」
センサー服の裾を地面スレスレに被せられた山村が控え室の椅子にも座らず、立ったまま応援を続けている。
「手前のチーム、1人背後に回りましたね」
「無謀じゃねーのか?」
「後の2人が、如何に奥のチームを誘導出来るかに掛かってますね」
これは頭脳も使いそうだ。
なんとなく、鈴木も乗り気だった理由が俺には解った気がした。
「あ!危ない!」
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