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山村の声と共に、奥のチームの1人が、後ろに回り込んだ手前チームの1人に、撃ち抜かれた。
センサーが点滅し、失格になった事を告げる。
その時点で銃を撃つとチーム全員、失格になる仕組みだ。
「2対3か」
「ここで慌てると相手チームの思うツボですね」
振り返る奥チームの1人が、手前チームに前から撃たれた。
最後の1人は、仇は撃ったが、残りの手前チームの2人が左右に分かれたところで迷いが生じたのか、撃つ前に撃たれた。
手前チームの2人は景品が貰える奥の部屋に去っていく。
どうやら、決着が着いたようだ。
全員、部屋から居なくなったところで、係員が控え室のドアを開ける。
「次のチームの方たち、お願いします。…って誰だ?小学生まで入れた係員は?」
係員は不審気に、武装した山村を見ている。
「ブーブー!僕は高校生だい!」
「山村くん、落ち着いて。身分証明書を提示してください」
「いや、全員不戦敗でも良いんじゃねーか?」
だが、意外にも山村は、センサー服で隠れた懐から生徒手帳を係員に見せた。
やべー、俺、持ってねーのに、よく入れたな。
係員は山村に向かって頭を下げる。
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