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「失礼しました!こちらへどうぞ」
係員は山村に深く頭を下げると、さっき映像で見た柱が乱立してる部屋へと、俺等3人を通す。
映像で観てた時より広く感じる。
まだ照明は点いたままで、相手チームの3人も、俺等と反対側の出入り口から部屋へと入って来た。
見ると女ばかりだ。
「これは、くみし易いんじゃねーか?」
「千夜くん、相手は女性と言えど油断は禁物です」
俺が鈴木に耳打ちすると、奴も耳打ちで返す。
「確かに嘗めて掛かるとやべーかもな。コッチは子連れみてーなもんだし」
そう言って左にいる鈴木から、右にいる山村に目を移すと、つむじが見えて、表情はよくわかんねー。
多分、意気揚々としてるだろーが。
「ねえ、真ん中の人、格好良い!」
「私はメガネの人が良いわ!」
相手チームの小声の会話は、薄暗くなった部屋で『レディーゴー』のアナウンスのデカさにかき消された。
全員、先ずは手近な柱に避難する。
ところが。
「痛っ!」
柱に向かっていって、山村はコケた。
山村目掛けてビュンビュン飛んでくるビームに、鈴木が柱の陰から射撃し、牽制する。
鈴木の牽制の為に、相手チームが柱の陰に隠れた。
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