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「保ー、鈴木くん、頑張ってねー」
「頑張ってねー。じゃねー。俺を振り向かせるんじゃなかったのかよ」
「まあまあ、千夜くん。やられてしまったのは仕方ないですよ」
言い出した山村が何もしない内に、女にやられるとは…。
2対2。
「1人すばしっこい相手が相手チームに居るな」
「千夜くん、僕がタイミングを言いますんで射撃の方をお願いします」
鈴木は鈴木で、自分の瞬発力の無さを悟ったらしい。
「任せろ」
ったく、世話の焼ける2人だぜ。
俺は柱に隠れたまま、ビーム銃を身構えた。
「右です!」
鈴木の声を合図に、右前方に柱の陰から少しだけ身を乗り出し、ビーム銃を放つ。
向こうより、俺の方が素早かったのか、相手チーム2人目のセンサーを射抜くことに成功した。
「先程の勝者チームじゃ有りませんが、左右の柱に別れましょう。千夜くんは右の柱に移動したら、迷わず左から撃って下さい」
「解った」
俺は右の柱目掛けて、鈴木は左の柱目掛けて走った。
だが、ここで誤算が生じた。
相手チームは迷わず俺の方が撃つと踏んでいたらしい。
俺が、鈴木より早く右の柱に移動して左から撃とうとしたら、相手は既に俺目掛けて、ビーム銃を撃った後だった。
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