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広島駅で僕の隣に若い女性の客が乗ってきた。二十歳を過ぎたばかりというところだろうか。しっかりとメイクをしているが、その顔にはまだあどけなさが存分に残っている。ふわふわと巻かれた髪は明るめの茶色に染められていて、肩より少し下の方まで伸びている。印象的なほど目が大きく、可愛らしい顔立ちをしている。おそらく大学生なのだろうと僕は勝手に思った。ちょうど大学が夏休みに入る頃だから、彼女が大学生であっても不思議はない。そして、彼女の容姿にはどこか胡桃を思わせるものがあった。
彼女は大きなボストンバッグから可愛らしいピンクの小さなポーチを取り出した。そんな様子を横目で見ていると、彼女はポーチの中を探り、煙草の箱を取り出す。ただの偶然に過ぎないのだが、彼女の煙草と僕の煙草は同じだった。たったそれだけで運命を感じるというような子供じみたことはないのだが、それでもなんとなく嬉しくなってしまう。
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