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「すみません。実は、私もあなたに少し嘘を吐いていました。友人があの教団を信奉していたのは本当なんですが、実は私も信者だったんです。私は友人を犠牲にして総本山勤めから逃れたんです。もっとも、私はどちらにしても総本山勤めになることはできませんでした」
「それは……どうしてですか?」
「私には教祖の子供を産むことができないからです。もっとも、教祖もずいぶん高齢でしたし、今でも総本山勤めに子供を産ませているのかはわかりません」
「その……失礼かもしれませんが、身体的な問題とか、そういうことですか?」
僕が尋ねると、彼女は静かに首を横に振った。
「そういうことじゃないんです。私は教祖の娘なんです。二歳の誕生日に里子に出されましたが。そして、私は今日、友達に会いに行くんじゃないんです」
「それって、もしかして……」
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