恋するゲーマー

ギャップにやられて

「クラスに共通の友達がいてさ。話してるうちに同じゲームをしてるってわかって、そっから意気投合した感じかな」
「ふうん……」

　類は友を呼ぶってやつなのかな？

「レッドジャスパーって名前でゲーム配信してるっていうからさ。うちの妹がファンだって話したら、なんかすごい食いついてきたんだよ」

　兄は頭の後ろに両手を組み、ソファにふんぞり返った。

「えっ……もしかして、私のハンドルネーム教えた？」

　だんだん話がつながってきて、私は興奮した。

「うん。すげえ嬉しそうだったぜ？」
「そこ、ドヤるとこかな〜？」

　熱くなる頬をごまかすように、したり顔の兄の胸を軽く叩く。

「や、でも、チャラいしなぁ……」
「人を見た目だけで判断すんなよ？」

　だからといってすぐに認められない私に、兄がおでこを小突いてきた。

「そうだけどぉ、本当にびっくりしたんだもん」
「まあ、驚かせようと思って会わせたしな」

　語尾に(笑)がつきそうな言い方をされ、私は下唇をかんだ。

　気をゆるめるとニヤけちゃいそう……

「おまたせ」
「は、はい！」

　不意打ちでレッドさんが戻ってきて、私は慌てて立ち上がった。

「いい返事だね」
「あっ、持ちます！」

　トレイを片手にドアを押さえている彼に、慌てて駆け寄る。

「ありがとう」

　木製のトレイを受け取ると、目の前で素敵な笑顔が輝きを放った。