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「オレのプレイ、よく見ててね」
私を見つめながら、レッドさんは髪を指ですいてひとつに結んだ。
「――ひっ!!」
その仕草に、鼻の奥がツンとする。
カ、カッコイイ……ヤバい……尊い……
「ニ、ニコちゃん、鼻から血が!」
会心の一撃に鼻血が出てきて、レッドさんが目を丸くして立ち上がった。
「あーあ……」
「だ、大丈夫?」
冷静に眺める兄と、慌てふためきながらティッシュを差し出してくれるレッドさん。
「ずびばぜん」
憧れの人の前で鼻血を垂らすなんて……なんかもう、何も怖くないな。
「わたひのことは気にひないで、続けてくだはい」
「ゲームよりニコちゃんの方が大事だよ」
レッドさんは、いたって真剣に心配してくれている。
優しいなー……
推しに優しくしてもらえるなんて、幸せすぎて。
心臓が口から出そうなほどドキドキする。
こんな状況で、ときめく私って。
穴があったら入りたい……
「あんまり興奮すんなよ?」
お兄ちゃんの対応、塩すぎない?
「無理はしないで、つらくなったらソファで横になりなよ?」
レッドさんは神対応だなあ。
「あい」
うなずくと、彼は優しげに目を細めた。
後ろ結び、イイ……
スイッチオンって感じで、チャラさがなくなって……ギャップがたまらない。
私、生きて帰れるのかな――
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