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二人の友達
私はもともと存在が薄かった。
そんな私も今年で大学生になり、やっと友達が二人もできた。
ちょっと会話はぎこちない感じがするけど。
今日はその友達である男勝りな南と楽しいことが大好きな美優と私で遊園地に行く予定だ。
「はぁ~、遊園地なんて久しぶりだから楽しみだな!」
南が遊園地のパークの入り口を目の前にして声を張り上げた。
「そうだよね、うちはやっぱりジェットコースターかな~?」
「えっ、私も乗りたい!」
美優の後に私もジェットコースター乗りたいアピールをした。
「えー、それ本当に言ってる? 私、絶叫系無理なんだけど」
南は美優と私の意見を聞いて眉をひそめた。
「それじゃ、一回だけでいいからお願い!」
「お願い!」
また美優の後に私は手を合わせてお願いした。
「……わかった、でも一回だけな」
押しに弱い南は頭を抱えながら言った。
「本当⁉ やったー!」
「イエーイ!」
私が万歳をして喜ぶと、美優もジャンプをしながら喜んだ。
「それじゃ、さっそくいこ!」
「あぁ、そうだな」
はぁ~、何に乗ろうかな。
観覧車にジェットコースターにお化け屋敷に。
久しぶりに遊園地に来たからなんだかはしゃいじゃうな、もう子供じゃないのに。
あっ。
私は我に返って、あたりを見渡す。
私が浮かれている間に二人はもう遊園地の入り口をくぐりかけていた。
「あぁ……、待ってよぉぉぉ」
私は必死に二人を追いかけたのだ。
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