嘘を知っても

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嘘を知っても

家に入るなり晋哉はジャケットを脱いだ。ボタンを外し首元をゆるめると、ソワソワとしているみつきにキスをする。 「っ」 呼吸も奪うほどの激しいキスをしながら移動する。ソファに倒れ込んだみつきに晋哉は覆いかぶさった。 キスを続けつつ、みつきの着物の裾を開く。白い太ももに手が這うと、みつきはぴくりと肩を揺らした。 晋哉と続きをしてみたい。もっとたくさん触れて欲しい。そう思うのに、男だとバレてしまう焦りで、晋哉の胸を軽く押し返した。 「……っ」 しかし晋哉の体は離れない。それどころか、太ももを撫でる手が、足の付け根に移動した。 まずい、このままじゃ──。嫌われてしまう恐怖で固まるみつきのソコに手がたどり着く。 晋哉に触られている。晋哉に触られてしまった。 さっと顔を青くするみつきに構わずに、晋哉の手がソレを撫で付けた。 「っ!」 下着の上から、形をなぞるかのように手が這う。明らかに男だと気づいたはずなのに止めない晋哉に、みつきは戸惑いながらも息を漏らした。 下着の中に手が入り込み、直に触られる。想い人に触られ、みつきのソコは熱を宿した。 「っ、ぁっ」 絡みついた指が先端を刺激し、手のひらで擦られる。 みつきは必死に声を我慢したが、気持ち良さに吐息が漏れてしまう。 父の影響もあってこういう行為がしたいと思ったことがなかったみつきは、晋哉に初めての快感を教えられた。 「っ……、っ」 先端をぐりぐりと弄られ、体が震える。慣れない刺激にみつきの体は呆気なく達してしまった。 「……平気か?」 飛び出たものが晋哉の手を汚したのが分かり、いっきに顔に熱が集まる。 どうしよう。何故か晋哉は手を止めなかったけど、嫌われてしまったかもしれない。今まで嘘を付いてきた自分は嫌われても当然だ。 羞恥と後悔と不安で、みつきの瞳には涙が溜まる。こぼれてしまった雫が頬を濡らすと、晋哉は体を離した。 「悪い、悪かった……」 珍しく焦りを含む声がみつきに向けられる。 強引に行為を進めてしまったことでみつきを傷つけたのだと思った晋哉は、遠慮がちに頬の涙を拭った。 「辛ければ声、出していいんだぞ」 「っ!」 まるでみつきが声を我慢しているかのような言葉に、目を大きくする。 乱れ、顔にかかった髪をかきあげる晋哉が、言葉を続けた。 「隠してたんだろうが、喋れるのも男なのも知ってたさ」 聞こえたのはまた信じられない言葉だった。大きな驚き、いつからという疑問と、嘘を知っても晋哉は自分に想いを向けてくれたのかと、みつきには様々な感情が駆け巡る。 「……体流すか」 帰ってきたばかりでふたりとも綺麗とは言えない格好だった。それにくわえ、晋哉は手当もしていない。 「おまえ先に風呂入れ」 「……で、でも……」 「いいから、俺は先にこれをどうにかする」 勇気を出して声を出したみつきだったが、晋哉は取り合わない。手の治療に晋哉がいなくなると、みつきは躊躇いながらも風呂に向かった。 「っ、あっ、あっ」 「そうだ、声我慢すんな」 「んっ、でも、恥ずかしい、ですっ」 「もっと聞かせろ」 「あぁっ……っ」 薄暗い部屋にみつきの鼻に抜けた声が漏れる。 ぐち、と腰が進められ、みつきはまた喘いだ。 「ん、晋哉、さんっ」 「はっ」 「あ、んっ……おく、あたって、っ」 奥の深いところまでねじ込まれ、みつきの体が震える。仰け反った喉に、晋哉は唇を這わせた。 「ん、んっ、あっ」 「はぁっ、みつき」 「あぁっ、しんや、さん、しんやさんっ」 ダメだと首を振るみつきに、晋哉は容赦せず腰の動きを続ける。 必死に気持ち良さに耐えるみつきを見て、晋哉も荒い息を吐き出した。 「あっ、んんーっ、っ」 「はぁっ」 みつきの熱が弾け、飛び散る。達したところを見られて恥ずかしがるみつきを眺めながら、晋哉も熱を吐き出した。
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