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呼び込みや迷路前の受付、誘導などの役割は時間ごとに分担だった。私は誘導係を午前中に済ませ、ようやく自由の身となってほっと息をつく。目が回る忙しさだった。
「陽菜〜! おっつかっれさん!」
丁度自由時間になった美里が笑いながら登場した。私は伸びをしながらそれに答える。
「いやあ、大盛況! 思った以上に忙しくって疲れちゃったよー」
「ようやく見て回れるね、てゆうかまずお腹空いたからなんか買いに行かない?」
「賛成。お昼まだだもんね」
「人すごそうだなー売り切れる前に沢山食べよう!」
二人で並んで歩き出した。普段とは全く顔の違う校舎たち。装飾も、歩く人々もコスプレをしてる生徒もいたりして、ただ見ているだけで楽しく面白い。非日常とはこんなにもワクワクする。
沢山の模擬店が並ぶ場所へ辿り着くと、これまた人が多い。どの店も行列ができており、早くも売り切れている店もあった。パンフレットを取り出して食べたいものを選ぶ。いろんな香ばしい匂いが混じった空気は空腹感を助長させた。
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