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神崎の告白を避け続け、最後に廊下で完全に拒絶する形になった。自分でもすごく感じが悪い言い方と態度で、さすがに神崎もあれ以降まるで私に近づいてこなくなった。
美里には何度か神崎について聞かれた。どうしたの、神崎を避けてるの見てればわかるよ、と。そりゃあからさまな態度なので、美里どころかクラスメイトみんなが気づいていたに違いないと思う。
特に美里は私が神崎を好きなことをしっているから……だから、あんな風に避けるのが信じられなかったんだと思う。
少し視線を落とした。何度も美里に相談したいって思ってた。でも、予知が見えるなんて突拍子もない話だし、しかも神崎は私に告白をすると死ぬだなんて。そんな予知普通あるだろうか、めちゃくちゃな内容だ。
さすがに人に言えなかった。自分の頭がおかしいのかと、私自身疑っているんだから。それに何より——神崎が死ぬだなんて、言葉に出すのだって嫌だった。
そんな私を、美里は深く追求せずじっと待っててくれたのにも気がついている。友達としても優しさだった。でもその気遣いがなおさら自分を苦しめている。
私は言葉に詰まり、何度も瞬きをした。
「ごめん……もうちょっと時間経ったら言えると思う」
「それって神崎を避けてるのにも関係してるよね?」
「……ごめん」
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