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……さすがに、あれだけ避けてたら神崎もそんな気失くしたと思うんだけど。
「神崎。今フリーだったっけ」
当たり障りのない話題を適当に投げかけた。彼は頷く。
「タケと回ってた。今あいつはおやつの買い出し中」
「そっか」
そう短く返事をして会話を切り上げた。自分でも愛想のない態度だと自覚している。いや、あえてそうしているのだが。
それでも神崎はいつものような優しい笑みを絶やさなかった。
「ごめん七瀬、警戒しないで。俺ただの世間話だけしにきた」
そう笑って言う神崎のセリフを聞いてカッと顔が熱くなった。警戒してるわけじゃないのに、いやしてるのか。でも何だか自惚れている自分がまだいるんだという事実に恥ずかしくなった。私は慌てて頭を下げる。
「ご、ごめん、警戒してるつもりじゃないんだけど」
「迷路すっげー人多いよ、今も見てきたけど並んでた。片付けまでに全員入り切らないよあれ」
「あ、そうなんだ。午前中も人多かったし、よかったね。頑張った甲斐があった」
「結構手混んでるもんなー」
「ダンボール集めるのが一番苦労したかも」
「ほんとそれ。俺スーパー何軒も行かされたよ」
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