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巨大迷路の成功をみんなで祝い、楽しかった感想を口々に述べならがら片付けていると、後夜祭が始まるという放送が入った。待ってましたとばかりにみんなは手を休め、そのまま各々目的地へ向かっていった。
カップルたちは校庭に。独り身は体育館に。
先ほど合流した美里に神崎と話したことを告げると、自分のことのように飛び跳ねて喜んでいた。美里にしろ遠山くんにしろ、心配かけてしまったのだなと反省する。四人で後夜祭に参加することを美里は快諾し、鼻歌を歌いながらウキウキしていた。
私たち四人も人混みに続いて教室を出る。学祭最後の締めくくり、やはり心はワクワクしていた。
ゾロゾロと体育館の行列に並んでいると、後ろにいた遠山くんが言った。
「なんつーかさあ、今年体育館多くね?」
眉を潜めて辺りを見回す。釣られて私たちも観察すると、確かに去年より人が多い気がした。
振り返って美里が言う。
「学校内カップルが少ないんだろうねー」
「あー俺も学祭までに彼女作る予定だったのによー。ま、でもこれだけ仲間がいると思えば心強いな。な、隼人!」
やけに嬉しそうに神崎の肩に手を置く。おちゃらけたタイプの遠山くんに笑っていると、ふとその隣の神崎が気になった。
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