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【 7月同期 】
それから、私とコトさんとのやり取りが始まった。
コメントをし合うようになり、段々とコトさんのことが分かってきた。
どうやら、私とこのサイトで小説を投稿し始めた時期が、同じようだ。
『僕は、7月に初めて作品を投稿したんだけど、來ちゃんは、いつなの?』
コトさんから、そんなメッセージが届く。
『私も7月♪ 同じですね♪』
『そうだね。僕たち、同期みたいだね』
彼の『同期』という言葉に、ドキッとした。
顔も年齢も分からない、ネット小説の世界。
誰とも分からない人と、こうしてお話するのは初めて。
リアルでも友達は沢山いる。
でも、なぜか、ネットの世界だと心がドキドキする。
その理由はよく分からない。
『來ちゃん、自分の写真をアイコンにしてるんだね』
『うん。でも、よく分からないように、目を瞑って下を向いている写真屋さんで撮ってもらったのを使ってる』
『そうなんだ。僕は風景の写真をアイコンにしてる』
初めは、お互い写真をアイコンにしていた。
それからしばらくして、コトさんのアイコンがかわいらしいキャラクターに変わっていた。
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