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【 ふたりのアイコン 】
金色のクリクリカールの髪に、ブルーの瞳。
そして、長いまつ毛が特徴的なかわいらしいアイコンだった。
『コトさん、アイコン変えたんですね』
『うん、ある人に描いてもらったんだ』
私もそれに合わせて、自分の写真から、かわいらしいイラストのアイコンに変更した。
青いリボンを付けた栗色の髪。
コトさんと同じ、ブルーの瞳に、ペロッと舌を出し、胸の前で両手をかわいらしく握ったアイコン。
『來ちゃんもアイコン変えたんだね』
『うん、コトさんに合わせて変えてみたの』
コトさんは、それを見て、『かわいいね』と返事をくれた。
それから、私たちはお互いの作品を読み合った。
私は、コトさんの作品にすっかり惚れ込んで行った。
次の新しい小説が公開されると、なぜだか、胸が高鳴る。
コトさんが、喫茶店のマスターのお話を書いた時は、コトさんのことをマスターと呼んだ。
『マスター♪ こんばんは♪』
『ははは、マスターじゃないよ。コトだよ』
『じゃあ、コトマスターさん♪ 一緒にコーヒーでもどうですか?』
『うん。じゃあ、一緒に乾杯でもしよっか』
『うん♪ かんぱーい♪ (*・ω・)o旦★旦o(・ω・*)』
こんなやり取りを私たちはするようになった。
どんどん、近づいてゆく距離。
そんなことを、少しずつ感じ始めていたんだ……。
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