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HRが終わり、綾瀬と別れて寮へ向かう。
全寮制だからな。この学校も例に漏れず二人部屋だ。
同じ学年の人が同室になるらしい。
あー、緊張してきた。
同室がとんでもない奴だったらどうしよう。
━━綾瀬レベルの優しさは望まないからせめて普通であってくれ。
そう願いながら恐る恐るドアを開けて部屋に入る。
「こ、こんにちはー」
ガタガタッと音がして、慌てた様子でイケメンが近づいてくる。
「あっ君が俺の同室?」
モブは普通顔のはずなのに、俺と関わるやつがイケメンなのはなんなんだろうな。
「そうです。市川です」
「ふふっ何で敬語なんだよ。同学年なんだからタメでいいよ」
と言う俺の同室者。優しそうな奴で良かった。
ちょっと綾瀬っぽいかもしれない。
「悪い、俺今めっちゃ緊張してる」
「あーだよね。俺イケメンだからね」
多分俺、今すごい変な顔してると思う。
一瞬、綾瀬と同じ人種かとか思った俺に言いたい。
前言撤回。
ただのナルシストでしたコイツ。
でも、イケメンなのは本当だからムカつくわ。
「なに?そんなに見て、俺に見惚れちゃった?」
何だコイツ、ため息出そう。
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