エピソード1

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自己紹介を済ませて軽く話した結論としては、名前は可愛いが性格は可愛くない、だった。 彼の名前は、白瀬由貴(しらせゆき)。 第一印象が強烈すぎて絶対に頭のおかしいやつだと思いこんでいたが違うらしい。 いや、頭は確実におかしいが良い奴だ。 顔面偏差値高すぎてもしかして生徒会じゃね?と思ってそれとなく聞いてみたけど違ったみたい。 そこでふと思ったんだが、学園BLにおいて生徒会じゃないイケメンが同室っていうのはありがちなヤツじゃないか? いやいや、まさかそんなことないよな。 ありえない、ありえない。 なんてそんなことを考えていたら、とっくに昼の時間になっていた。 なんでもそうだけど、初日って時間が経つの早いよな。 昼はコンビニか食堂で済ませようかと思いながら部屋を出ると、白瀬に呼び止められた。 「昼ご飯作ったんだけど……もし良かったら一緒に食べない?」 マジか。イケメンな上に料理も出来るのか。 しかも、何だその低姿勢は。 さっきまでのナルシストはどこに行ったんだよ。 ナルシストなかったらただのイケメンだぞ? キャラ設定大丈夫か? なんていらない心配をしていると、白瀬が不思議そうな顔してこちらを見つめている。 「?」 「いや、なんでもない」 突っ込みどころは沢山あるが、ご飯を作ってくれた事はただただありがたいので、一緒に食べることにした。 机に並んでいるのは、美味しそうなオムライス。 見た目の時点で美味しそうだったけど、食べてびっくり。 「白瀬」 「?」 「コレめっちゃ美味い」 「ほんと?って俺が作ったんだから当たり前でしょ。」 そう言って満足そうな顔を見せる白瀬。 嬉しそうな顔を隠せてないのが面白い。
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