エピソード1

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「俺、白瀬と同室で良かったわ」 「えー?ほんと?俺もだけど」 「うん。白瀬の事好きになった」 「えっ、」 「いい友達になれそうで良かったよ」 これは本心からの言葉だ。 なんとなくだけど、これから良い付き合いが出来そうな気がする。 ふと白瀬を見ると、机に突っ伏して唸っている。 なんだ? 「白瀬、どうかしたか?」 不思議に思い、声を掛けてみる。 すると、ものすごい勢いで顔を起こして「なんでもないよ!」と言われた。 ……やっぱ、変な奴? 部屋に戻って今日のことを振り返る。 綾瀬も白瀬も良い奴で良かった。 これでボッチは免れそうだ。 てか、今思ったけど二人共苗字が似ててややこしいな。 気が向いたら、いやもっと仲良くなったら下の名前で呼んでみようか。 そんなことを考えながら目を瞑る。 これからが、ちょっとだけ楽しみになってきたかもしれない。
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