エピソード2

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ドキドキしながら、庭園に入っていく。 赤や白、ピンクといった美しい薔薇たちが、規則正しく並んでいる。 こんなにも美しいのに、まるで区画整理でもされているようで (ちょっと物足りない気がするな) なんて思ってしまった。 薔薇を見ながら歩みを進めていくと、庭園の奥にベンチがあることに気づいた。 近づいて始めて気づく、人がいるということに。 どうやら座っているわけじゃなさそうだ。 あれは……寝ているのか? 少し悪い予感がしたけど、好奇心に負けた俺は恐る恐る近づいて覗き込んでみる。 近づいて覗き込んだ俺は、予想外の光景にびっくりして息を呑んだ。 端正な薔薇に囲まれた真っ白なベンチの上、幼い子供のような顔で眠っていたのは、 ━━入学式で魔王の如き演説をした、あの生徒会長だった。
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