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━━テスト当日。
1週間しっかり勉強してきたとはいえやはり心配だ。
綾瀬は大丈夫かなあ。
心配しながらも、テストに向かう。
考えても仕方がない。
それよりも、まずは俺がいい点を取らなくては。
そうじゃないと、心配してくれた綾瀬に示しがつかないだろう。
「市川」
テストの全日程が終わり、寮に戻ろうとすると声をかけられた。
「綾瀬か。テストどうだった?」
「おかげさまで平均は取れてそうだよ。ありがとう」
そう言う綾瀬は得意げな表情で、こいつもこんな表情するんだなってなんだか面白かった。
「良かった、一安心だな」
そう言って帰ろうとすると「えっ、ちょっと待って」と止められた。
「?」
どうしたのかと問いかけると、視線を彷徨わせながら口を開く。
「あのさ、俺、一週間後に試合があるんだよね」
「試合?」
「うん、部活の」
「へえ、頑張ってな」
「うん。ってそうじゃなくて!」
「?」
「……もしよかったらなんだけど、見に来ない?」
「え、」
「あっいや、空いてないとかなら別に━━」
「いやいや、行くに決まってるだろ」
あっ、ヤバい。
めちゃくちゃ食い気味に答えてしまった。
もしかして引かれた?なんていう俺の心配をよそに、どこか安心したような「良かった」という声が聞こえる。
引かれてはなさそうで良かった。
それにしても、友達の試合を見に行くなんて、初めてだから楽しみだ。
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