エピソード3

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浮足立ちながら寮に帰ると、もう既に慣れてしまったエプロン姿が出迎える。 「おかえり!!」 「ただいま」 毎日繰り返すこの応酬にも、すっかり慣れてしまったものだ。 ふと白瀬の方を見ると頬を膨らませてこちらを見ている。何だその顔は。 「こんなイケメンが待ってるっていうのに、いっつも晩ごはんギリギリに帰ってくるんだから、困っちゃうよねー」 「?困ることなんてないだろ」 「困ることっていうかさ、寂しいじゃん」 マジか、それは流石に想定外なんだが。 予想の斜め上を行く言葉に驚く。 「なんか、俺たち結婚してるみたいだな」 俺がそう言うと、膨れっ面が呆然とした表情に変わる。 「確かに、こんなイケメンが待ってるんだったら早く帰ってこないとな」 そう答えると白瀬の顔が赤く染まっていく。 「……は、はぁ?何言ってんの?ありえないんだけど!」 えぇ、何かキレられた。 たまにはのってやろうと思っただけなのに……解せぬ。 俺が悪かったにせよ、耳まで真っ赤にして怒る必要ないのに。
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