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浮足立ちながら寮に帰ると、もう既に慣れてしまったエプロン姿が出迎える。
「おかえり!!」
「ただいま」
毎日繰り返すこの応酬にも、すっかり慣れてしまったものだ。
ふと白瀬の方を見ると頬を膨らませてこちらを見ている。何だその顔は。
「こんなイケメンが待ってるっていうのに、いっつも晩ごはんギリギリに帰ってくるんだから、困っちゃうよねー」
「?困ることなんてないだろ」
「困ることっていうかさ、寂しいじゃん」
マジか、それは流石に想定外なんだが。
予想の斜め上を行く言葉に驚く。
「なんか、俺たち結婚してるみたいだな」
俺がそう言うと、膨れっ面が呆然とした表情に変わる。
「確かに、こんなイケメンが待ってるんだったら早く帰ってこないとな」
そう答えると白瀬の顔が赤く染まっていく。
「……は、はぁ?何言ってんの?ありえないんだけど!」
えぇ、何かキレられた。
たまにはのってやろうと思っただけなのに……解せぬ。
俺が悪かったにせよ、耳まで真っ赤にして怒る必要ないのに。
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