エピソード1

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その一瞬、俺は思考停止した。 えっ、BLって所謂ボーイズラブというやつですか?それと全寮制男子校になんの関係が? 頭の中にはハテナマークしか浮かばなかったわけだが、調べるうちに俺のなまじ賢い頭は理解してしまった。 異性がいないということは、恋愛感情が同性に向きやすいということに。 なぜこんな単純なことに気付かなかったのか。 気付いた時には本気で頭を悩ませた。 だが、いつまでも不安でいるわけにはいかない。 俺はたとえ少女漫画のようなヒロインがいなくても、輝かしい高校生活を勝ち取るために良いスタートを切らなくてはならないのだ。 その為なら俺はなんでもする。 マジで。 その証拠に、既に王道学園モノのBLは履修済みだ。 大体の雰囲気と登場人物は抑えた。 BL展開回避に抜かりはない。 まぁ、役に立つかどうかは分からないけど。 いろいろ調べてみて、学園の顔面偏差値にはちょっとした不安を覚えた。 が、何が起きたって俺が学園内の誰かを好きになるなんてありえない。 俺は可愛い女の子が好きだからな。 というかそもそも、目立つことをしなければ好きになることも好かれることもないだろう。 そして学校生活においてそこそこ重要なクラスだが、俺はA組だった。 学力によってクラスが決まってるパターンを見たことあるがこの学校はそうじゃない。 つまり、大事なポジションにいる奴と関わる可能性が出てくるわけだが、俺に限ってそんなヘマはしない。 ……はず。 うん、しない。 よって、そこの心配はしなくていい。 大丈夫な気がしてきたぞ、とそう心の中で自分に言い聞かせた。
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