エピソード1

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そんなことを考えているうちに、教室の前まで着いてしまった。 ドアを開けるという簡単な動作にさえ緊張する。 ここまで無事だったんだ、心配することなんかなにもないぞ俺。 そう自分に言い聞かせ、覚悟を決めてスライド式のドアに手をかける。 ここは一思いにガッと開けてしまおう、と決心してドアを開いた。 「え、」 ドアを開いた瞬間ものすごい勢いで顔面に突っ込んでくる何か。 あっこれ終わったわ。 ここまでお付き合いくださった皆様、ありがとうございました。 俺の運はここで尽きたようです。 ……やっぱり新学期ロクなことがねえな。 予想もしなかった事態、果たして俺はこの先この学校で無事に生きていけるんだろうか。 そう思ったところで、ぶつかってきた物のせいで後ろに倒れ込んだ俺の意識はプツンと途切れた。
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