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「市川は、入る部活とか決めてる?」
「いや、別に入らなくていいかなって思ってる。綾瀬は?」
「俺はサッカー部かな」
そう微笑みながら言う綾瀬。
うん、だよな。
「ぽいな」
「そう?」
不思議そうな顔をしているが、何故かそれも絵になっている。
爽やかっすね、とかイケメンは違うわ、とか言ってやりたいけど、生憎まだ親愛度が足りないんで無理ですね。
そんなこと言ったら多分、いや確実にドン引きされる。
考えてみろ、男に褒められたって嬉しくないだろ。
俺は嬉しくない。
「市川?聞いてる?」
「あ、悪い、ぼーっとしてた」
「あはは、全然いいよ」
優しいかよ。
なんか余計に申し訳なくなってくる。
今度はしっかりと綾瀬の話を聞こうと意気込んだ、ところで教室に着いてしまった。
ちなみに、A組の担任は予想通りホストみたいな奴だった。
これもまた予想通り、歓声が凄かった。
先生の顔が無駄に良いのはなんなんだろうな。
生徒の安寧のためにおじいちゃん先生とかでいいと思うんですよ。
「おはよう。今日からお前らの担任になる神崎怜だ。よろしく」
たったこれだけの挨拶で、場が色めき立つのは一種の才能だなと思った。
そういえば俺が心配してた学園の顔面偏差値のことだが、中心人物がカンストしてるだけでモブはそこまで高くないらしい。
ちょっと失礼だけど周りを見て安心した。
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